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プロジェクト(2009年度)

『新たな国際マネーフローとイスラム金融』

期間 2009年度
研究代表者 永野 護(研究所所員)
共同研究者 板倉 健(名古屋市立大学大学院経済学研究科)


プロジェクト紹介

 本研究プロジェクトは、近年、国際金融市場において新たな企業の資金調達手段として注目されるイスラム金融の、企業経営に対する影響の実証的検証がテーマである。
 日本企業、国際金融機関、英国政府などの、非イスラム圏の発行体にも発行の動きが広まっている。非イスラム圏の資金調達者によるイスラム金融の利用は、日本企業の間にもその波が訪れている。
 2008年7月、トヨタ自動車は、マレーシアにおいて三菱東京フィナンシャルグループを主幹事とするイスラム債を発行し、またイオン・クレジット・サービスも同国において発行実績を持つ。イスラム金融の最大の特徴は、借入金に対する利息の支払/受取が禁止されているため、結果的として、負債と資本の中間的な特徴を持つプロフィット・シェアリング型の資金調達手段となっていることである。
 すなわち、銀行借入であるが、将来、借り手の事業の収益によって、資金提供者の便益も異なってくることから、借り手の内部情報やエージェンシーコストが資金提供者にとって重要となる。本プロジェクトは、すでに訪れつつある日本企業によるイスラム金融の利用ブームを踏まえ、なぜこの新たな資金調達手段が、日本企業を含む世界各国で活発に利用されるのか、発行体の特徴の分析を進めた上で、将来の名古屋・東海地域地場企業における利用の可能性について言及する。


活動内容