平成19年度


『競走馬のトレーニングセールでの価格決定に関する分析』

小西 正晃


『サッカーにおける退場者がチームの勝敗に与える影響に関する分析 〜J1を例にとって〜 』

宮田 貴史


『企業の不祥事と株価への影響について』

金井 崇矩


『フィギュアスケート選手の評価 〜2007年データを用いて〜』

青山 雅彦













 

 


『競走馬のトレーニングセールでの価格決定に関する分析』

小西 正晃


   競馬において馬券を買う人はもちろん、レースに出る前の仔馬を購入する馬主もギャンブルの当事者であると考えることができる。いったいどんな馬が勝つのか?購入価格の高い馬がよく走るのか?何か法則性はあるのか?競走馬の獲得賞金の期待値はどんな要因に起因しているかということを調べてみた。
 本論文では、ヒダカトレーニングセールの2004年〜2006年のデータを用い、競走馬の獲得賞金を目的変数、せり値段・タイムなどの要因を説明変数として回帰分析を行った。結果として競走馬の獲得賞金はせり値段、タイム、母方の系統と関係性が高く、中でもせり値段との関係が一番深いことがわかった。そこで目的変数をせり値段にかえ、同様に回帰分析を行ったところせり値段は、性別、父方の系統、タイムと関係があった。つまりこれらの要因が値段と強いつながりがあることから間接的に獲得賞金とも関係性があることがいえ、結局競走馬の獲得賞金というのは様々な要因に起因していることがわかった。また血統や性別のような生まれついてのものではない、調教タイムが獲得賞金、せり値段の両方と関係が深いことから、トレーニングセールの存在意義を確認できた。
 今後の課題としては、トレーニングセールではない競りとの比較や、この分析で得られた回帰式を使い競りの時点でその馬の獲得賞金を予想することなどがあげられる。  



サッカーにおける退場者がチームの勝敗に与える影響に関する分析
         〜J1を例にとって〜』

宮田 貴史


    サッカーは他のスポーツに比べ、防具もつけずに人と人とが1つのボールを奪い合うため、激しいタックルによってけが人が出る。これを抑制するために、プロの試合になればなるほどイエローカードといった警告や行き過ぎた反則行為に対するレッドカードによる退場処分が切り離せないものとなっており、一般的にサッカーで退場者が出るということは、退場者を出したチームは数的不利となり、その結果試合に負けるといったイメージがある。
 本論文では、日本のプロリーグJ1での退場者が出たチームの場合、得点力の低下が不利となる原因なのではという推測に基づいて調べ、退場後の得点と関係のある要因を回帰分析によって分析した。その結果、確かに得点力は退場者が出ていない場合に比べて低下しているということがわかり、さらに退場した側がホームスタジアムであるかどうかが、最も退場者が出た後の得点力に影響してくることがわかった。その結果、退場者が出た後の得点を推測することができ、退場者が出た時点での状況や得点差からある程度のその試合の勝敗を予想することができるようになった。
 今回は直線回帰式を用いたが、より正確な予測を立てるため、他のモデルによる回帰分析をすることが次への課題といえよう。


『企業の不祥事と株価への影響について』

金井 崇矩


 企業の不祥事を起こすとその内容が各メディアで公表され、株価に影響を与えることがある。そうした不祥事の前後における変動する株価の動きと日経平均株価の動きを比較し、分析を行うこととした。不祥事を起こした企業の株価の変化率を目的変数、日経平均株価の変化率を説明変数として、回帰分析を行って得られたデータをもとに投資家の判断基準について考察を行った。結果として、経営危機をもたらすような不祥事は、企業のブランドイメージを低下させ、営業利益に長期的な損害をもたらすと同時に、投資家たちに明らかな衝撃を与えるものと推定できた。


『フィギュアスケート選手の評価 〜2007年データを用いて〜』

青山 雅彦


 現。