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附属経済研究所における新たな研究体制


  名古屋市立大学大学院経済学研究科
附属経済研究所長
森 徹

 名古屋市立大学大学院経済学研究科附属経済研究所では、本学が公立大学法人となった平成18(2006)年度以降、それまでの専任の所員による研究体制を改め、経済学研究科の中から「プロジェクト研究」テーマを募り、そのテーマに沿って研究を進めるグループの中心となる教員(研究代表者)を所員とするという体制に移行し、移行後の9年間で、地域の労働問題、地域医療、地方財政、環境問題、国際経済、地域産業、大規模災害と金融市場など国際的視野に立って地域の経済・経営・行財政問題に取組む11の「プロジェクト研究」を進めて参りました。

 他方、経済学研究科では、平成22(2010)年度から平成26(2014)年度にわたり、研究科における研究教育分野の単位である7つの「系」(経済学専攻の経済理論系、経済政策T系、経済政策U系、制度・歴史系、経営学専攻の経営系、会計系、ファイナンス・情報系)ごとに統一の研究テーマを設定し、各系の所属教員が共同研究を行う「クラスター研究」が実施されてきました。

 このように、経済学研究科と附属経済研究所では、部分的な重なりを持ちながらも、別個の体制で共同研究を進めてきましたが、経済学研究科におけるクラスター研究期間が一応の区切りを迎えた平成27(2015)年度からは、両者を融合し、附属経済研究所が経済学研究科全体の研究活動や社会貢献活動の一層の活発化を図るための場として、 これまで以上に有効に活用される新たな体制に移行することと致しました。

 具体的には、附属経済研究所の下に、「経済学系クラスター」と「経営学系クラスター」という2つの大きな研究者集団の枠組みを設け、経済学研究科の専任教員(教授、准教授、専任講師)全員と研究科が招聘している特任教授の方々に、附属経済研究所の所員として、いずれかのクラスター所属してもらった上で、各クラスターまたは双方のクラスターにまたがって所属する複数の所員に、特定の研究テーマの下で共同研究を行う「サブ・クラスター」の形成を要請(公募)するという体制です。

 この「サブ・クラスター」は、経済学研究科にとっては、従来の「系」ごとのクラスターに比べ、より共同研究の密度を高め、研究テーマの具体化を図った研究グループとなり、附属経済研究所にとっては、従来の「プロジェクト研究」に比べて、より一層研究テーマの多様化と研究の深まりを図るものになると期待されます。

 平成27(2015)年度より開始するサブ・クラスター研究のテーマ、研究期間、研究組織は「研究プロジェクト」のページに掲載した通りであり、経済学研究科のクラスター研究の単位となった「系」のほとんどすべてから20名を超える専任教員が参加するとともに、過去9年間に附属経済研究所で行われたプロジェクト研究の数と広がりに匹敵する内容となっています。

 これらの研究の経過や成果につきましては、附属経済研究所「サブ・クラスター研究報告会」(従来の「プロジェクト報告会」に相当)や経済学研究科・附属経済研究所主催「公開シンポジウム」等で、学内外の研究者や一般市民の皆様にご報告申し上げるとともに、地域の経済・産業・福祉の発展のために還元できるよう努力して参る所存です。

 どうか、この新たな研究体制への皆様のご支援、ご協力を宜しくお願い申し上げます。

 なお、平成27(2015)年度の「公開シンポジウム」につきましては、今年度を最終年度とするプロジェクト研究「証券取引所を取り巻く環境変化による東海地域の上場企業への影響」(研究代表者:坂和秀晃准教授)の内容に関連したテーマで11月に開催する予定です。日時・会場等の詳細が決まり次第、「イベント・セミナー」の「公開シンポジウム」のページに掲載致しますので、こちらにつきましても皆様のご参加・ご支援を宜しくお願い申し上げます。