経済学部卒業生へのメッセージ

本学、名古屋市立大学経済学部を御卒業されることになり、本当におめでとうございます。御存知のように新型コロナウイルスが猛威を振るっており、卒業式が中止になりました。大変、残念なことでありますが、この場を借りて卒業生へのメッセージを贈りたいと思います。

皆さんが御卒業されるに当たり、私から伝えたいことは2つあります。1つは自分の得意分野を確立することであり、もう1つは周りの人の役に立つ人になって欲しいことです。私事ですが、私は大学時代から退職金会計の研究を行っていました。大学院を中退して某大学に赴任するのに当たり、私の指導教員・恩師からの次のような指導を頂きました。「退職金会計を10年間研究し、著書を書くまでそのテーマを続けなさい」。1つの分野を集中して研究することにより、その分野で専門性を極めることができますし、数多くの論文を早く作成することができます。自分の得意分野・専門性をつくることは、仕事を行う上で大きな武器になります。素早く仕事ができますし、正確な間違いのない仕事ができます。皆さんは本学にて経済学・経営学・会計学を学びました。これらをベースに仕事に関連する得意分野をつくり、その仕事に活かして欲しいと思います。

次に、皆さんの中にはこれまで1人で生きてきたと考えている人がいるかも知れません。皆さんが今月をもって大学を卒業することができたのは、何よりも御両親の支えがありました。また、友人からもいろいろな形で支えや刺激を受けながら、皆さんは成長してきました。今後は、皆さんが誰かを支える立場になります。周りの人の役に立つ人となる必要があります。役に立つか否かはいろいろな側面がありますし、直ぐには成就しないこともあります。また、多くの場合、自己犠牲を伴います。そうした意味では難しいことかも知れません。しかし、その第一歩は周りの人のことを考えることと思います。そうすることによって、今まで気づかなかった新しい見方・考えが発見できます。周りの人のことを考えることからはじめ、周りの人の役に立ち、愛されるような人となる道を見つけて進んで欲しいと思います。

最後に、大学を卒業された後、嬉しいことや辛いことが数多くあるかと思います。いろいろなことが起きますが、時には大学に戻って来てください。ゼミの指導教員をはじめとして我々教職員は、皆さんと再会できることを楽しみにしています。それでは、名古屋市立大学経済学部を御卒業されましたこと、本当におめでとうございます。皆さんがそれぞれの分野で、それぞれの道で大いに活躍されることを期待しています。名古屋市立大学経済学部の御卒業、心よりお祝い申し上げます。

令和2年3月9日

名古屋市立大学  経済学部長 吉田和生


吉田和生先生とゼミのメンバー


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